水酸化マグネシウム系化学蓄熱材に関する紹介記事が公開されました.
劉 醇一,黒沢 諒,竹内雅人,赤外線学会誌,32,5-12 (2023).
概要
近年,化石資源に依存しないエネルギーシステムの構築が強く求められており,産業排熱や太陽熱などの未利用熱エネルギーを有効利用するための蓄熱技術のニーズが高まっている.水酸化マグネシウムは300 ℃前後で脱水反応(熱分解)が進行し,逆反応である酸化マグネシウムの水和反応も可逆的に進行することから,この温度域で使用可能な化学蓄熱材として注目されている.筆者らはこれまでに,水酸化マグネシウムにリチウム化合物を添加することによって脱水/水和反応速度が向上することを見出してきたが,リチウム化合物の役割や反応機構は未解明であった.本稿では,筆者らが進めている化学蓄熱材の開発の現状,赤外分光を用いた反応機構の解析結果,今後の研究課題について紹介する.
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